INTERVIEWS

自分らしい「働き方」を見つけた人たちへのインタビュー

Talks #004 /

短期的な目標で突っ走ってみるのが大切。

AnyPerk : Sunny Tsang

AnyPerk : Sunny Tsang

PROFILE

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PROFILE

■Sunny Tsang氏とは

カリフォルニア美術大学でデザインを学び、Open Network Labに参加。友達の紹介を通したソーシャルネットワークサービス「mieple」を立ち上げる。マウンテンビューのベンチャーキャピタルYCombinatorを卒業後、福利厚生のアウトソーシングをオンラインで行う「AnyPerk」を福山太郎と共同創業する。現在はサンフランシスコに在住し、「AnyPerk」のサービスを世に広めるべく奮闘する毎日を送っている。

 

AnyPerkhttp://anyperk.com/

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ベンチャーキャピタルY Combinatorを卒業後、福利厚生のアウトソーシングをオンラインで行う「AnyPerk」を創業。日本語、中国語、英語の三か国後を自在に操りデザイナーとしてのスキルを武器にシリコンバレーで活動中。そんなサニーさんの働き方についての考え方をご紹介します。

 

「これ僕が作ったんですよ」っていうものが欲しかった。

ー今回立ち上げられたAnyPerkについて、また担当されている部分を教えてください。

サニーさん(以下,敬称略) 「AnyPerk(エニーパーク)」は福利厚生のアウトソーシングをオンラインでやろうという会社です。僕はそこでデザイナーしてUXとUIを担当しています。

ーAnyPerkを立ち上げる前は何をされていたのですか?

サニー  ちょっと時間は遡るのですが、僕大学では数学と会計を専攻していたんですね。その時に読んだダニエル・ピンクの「ハイコンセプト」という本の中にデザインの重要性が説かれていて、そこに感化されて「デザインがやりたい!」って思ったんです。そしてすぐにサンフランシスコにあるCalifornia College of the Artsのグラフィックデザイン科に転校して、そこを1年で辞めてデザインの仕事を始めたという感じです。 AnyPerkを立ち上げる前は「good company」というデザイン会社をやっていて、2011年にその会社を売却しました。good companyをやりながらも、ずっとITに関わる仕事をやってみたいなとは思っていたんです。そこでパートナーを見つけて一緒に何かサービスを立ち上げようって話になって、good companyを辞めたし、始めることになりました。

ーそうなんですね。一緒に起業するパートナーはどうやって見つけられたんですか?また、AnyPerkを始めるきっかけは何だったのでしょうか。

サニー もともと友達だった福山太郎と一緒に起業したんです。福山が日本から1ヶ月くらいサンフランシスコに滞在する機会があって、そのときに僕が彼を家に泊めてあげたのがきっかけで色々話すようになって。AnyPerkの前は「mieple」というデーティングサイトを作っていました。どんなサービスかと言うと、友達の紹介を通したソーシャルネットワークサービス。それは6ヶ月間やってたんですが、ビジネスモデルを考えたときにマネタイズの面において問題にぶちあたってサービスをやめることなったんです。そのときにY Combinatorというベンチャーキャピタルに入ることになって、そこでビジネスモデルを考えました。自分が困っていることは何だろうなという経験から生まれたアイデアなんですが、僕前の会社は6人しかいなかったんですね。少人数の会社で福利厚生を充実させるって難しくて、かつ充実させようと思ったらすごく手間がかかりますし、だったらそれらを代わりにやってあげるサービスがあったらいいよねってことで、それでAnyPerkを思いついたという感じです。

ーでは今後はAnyPerkを主軸にやっていくという感じでなんですね。

サニー  そうですね。実は僕、miepleのあと7回アイデア変えてるんですよ。(笑)結構さまよっていた時期があって、最終的に辿り着いたのがこれって感じなんです。

ーそもそもなぜ自分でサービスをつくってしまおうと思ったのでしょうか。

サニー いわば明確に「これ僕が作ったんですよ」っていうものが欲しかったんですよ。「デザイン」だったら目に見えるものだし分かりやすいので、家族に「これが僕が作ったんだよ」って言えるじゃないですか。自分がやったってパッと言えないことは嫌っていうか。だからデザインという道だったり、起業だったりを選んだって感じですかね。

ー「自分がやった」ということに直結するのものが欲しかったんですね。

サニー そう。「これ僕の」っていうのが、気持ち良いじゃないですか。(笑)それが良かったんだと思います。

仕事って自己表現の場だと思うんです。

ー1日の働く時間の使い方を教えてください。

サニー Y Combinatorに入ってからは、朝10時に起きて夜の12時までやってましたね。Open Network Labのデモデーと言う投資家へのプレゼンがあって、それまでは「プライベートもないけど頑張ろうね」ってチーム内で話をしてました。最近はそのプレゼンも終わって投資も集まってきて少し楽になったので、土日は休もうかなって思ってます。

ー実際はどういう働き方が理想ですか?

サニー ん~、土日は休みたいですよね。(笑)前にやっていたデザイン会社のときはそれこそ昼と夜の時間が逆転していた活をしていたんですよ。僕はアメリカにいるけど日本や香港にいる人たちと打ち合わせしてたりして。今は、土日休めればいいって思うかな。

ーサニーさんにとって、働くことのモチベーションって何でしょうか。

サニー そうですね。さっきも言いましたが、「自分が作ったものを残したい」という感じです。仕事って自己表現の場だと思うんですよ。AnyPerkだって三人でやってはいるものの共同創業者だし、これ僕が作ったって言えるじゃないですか。複雑な仕事はあんまりしたくないんですよね。分かりやすく見える形、そういうのが欲しい。

ーゴールって人によって違うと思います。例えば家族が喜んでくれればいい、世の中に影響を与えたい、様々あると思うのですが、サニーさんはどこを見ながら仕事していますか?どこに満足感を覚えますか?

サニー 満足感という意味においては、「家族が見て、すぐ分かるもの」を作っていきたい。それってなぜかというと、親世代が分かると、どの世代の人にも分かるものが作れると思うんですよね。

ー具体的にゴールの期間設定をしていますか?

サニー 考えてた時期もあったけど、考えてても仕方ないと思ってやめちゃいました。長期的な予定を立てても、結局変わるんですよね。仕事を始めて6年になりますが、そこで分かったことって、長期的な目標ってあまり役に立たないなってこと。短期的なゴールを設定していってとにかくクリアしていく、そのことを繰り返していってあるときパッと振り返れば自分の作った会社が大きくなったなみたいな、そういうやり方をしていっている気がします。 つまり、短期的な目標で突っ走ってみるのが大切だと思います。例えば「30歳までに売上100億円にしたい」とか決めるじゃないですか。そうすると僕の場合多分28歳までのらりくらりしちゃうんです。だったら「半年後に1億円」とかの短期的な目標のほうが良い。長期的な目標見すぎると、僕の場合後回しにしちゃうんですよね。

ー将来設計を立てて働くという考えよりは、現状のステータスに更新をかけていく働き方の選択をとっているということですか?

サニー 例えばAnyPerkが明日潰れたとしても、僕は北京語、日本語、英語が喋れてデザインも出来るので、世の中において自分の市場価値がどのくらいのかって、だいたい分かりますよね。そこに保証をかけておくんです。この仕事がダメでも自分にはこの仕事が出来る、というように考えられれば、今の仕事がダメになっても自分の持っているスキルで他の仕事が見つかると思います。そういうバックアップのようなものはちゃんと取ってありますよ。 たぶんシリコンバレーにいる人たちって、自分の技能がどれくらいか知ってると思うんですよね。例えば「あの人だったらどこの会社に行っても月5000ドルくらいは貰えるはず」っていう感じで、だいたい見えるものがある。それで自分が安心できるんだったら、まずは自分のやりたいことをむちゃくちゃしてもいいんじゃないかっていう考え方ってあると思います。

仕事をやるほうが最終的に満たされるから、苦じゃない。

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ーAnyPerkは3人で創業されたサービスですが、意見の衝突や食い違いなどありますか?

サニー 全然ありますよ。食い違いすぎて「もういいよ!」とかなっちゃうくらい。(笑)

ーそうなった際はどうやってまとめていってます?

サニー 特にまとめ役ってのはいないです。でも、折れない奴が勝つかな。(笑)3人とも別にとんちんかんな奴じゃないので、全員筋が通ってるし論理が破綻してないから、最終的には「どれにするか」って問題だけなんです。だから自分の意見を言い続けた奴が勝ち、ってなりますね。

ー今までで一番大きな衝突ってあります?全員が折れない状態とか。

サニー うーん、ないですね。決定したことに関してはそこは目標なので絶対進もうと決めていて。もちろん議論になってちょっと険悪になるんですけど、その後はすぐに友人モードに戻るというか。気まずくなっても、終わった瞬間にすぐ元通りですよ。まぁそういうのも3人の性格だったりするんですけど。

ープライベートで犠牲にしてることってありますか?

サニー そりゃありますよ、時間食われる訳だから。でも結局仕事してますから、それを苦に思ってるかっていうと、思ってないってことになりますね。そうだなぁ・・、あまり深く考えてないからじゃないからですか。(笑)

ー苦ではないということは、100%仕事が楽しいというか、ストレスを感じていないということになるんでしょうか?

サニー もちろん最善を尽くして仕事って面白いんだって思い込ませようとしている自分もいると思うんですよ。やってる俺かっこいい!みたいな。(笑)でも、さっき仕事って自己表現って言ったじゃないですか?例えば友達と飲みに行ったりショッピング行ったりするより仕事の方がより自己表現できる。だから、仕事する、みたいな。

ーそれでは最後に、仕事について悩む若い人たちにアドバイスをお願いします。

サニー そうだなぁ、学生に向けてのアドバイスでも良いですか?僕も自分でやってて良かったと思ってるんですけど、学生のうちにインターンなどをしていろんな人に会えばいいんじゃないでしょうか。そうすると選択肢がすごく広がると思います。学生とだけの付き合いをしてまわりで就職している人たちを見ると、「起業」なんて選択肢は出てこなかった。そういう意味でも色んな人と付き合うとたくさんのことが吸収できるから、会えば会うほど実りがあって良いと思います。

(2012.04 マウンテンビューにて収録。聞き手:SCHEMA シレン/ウチノ)

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